政治的影響によって左右される韓国と中国の文化交流

韓国と中国の関係に大きな影響を及ぼしているのが、在韓米軍高度防衛ミサイルであるTHAADの配備です。

これによって、中国政府からの報復とも言える様々な措置がとられ、その結果様々な韓国関連のコンテンツを排除してきています。

特に人気のある韓国ドラマの影響によって歓迎されてきた俳優や女優、そしてアイドル達のイベントやコンサートなどは中止に追い込まれています。

しかも人気俳優や女優を起用していたテレビCMは廃止され、バラエティ番組などに参加したアイドル達の顔にモザイクをかけて放送する程です。

一時期は韓流文化が中国国内に旋風を巻き起こしていたにも関わらず、政治的な問題でそれが一気に覆されるというところは仕方がないのかもしれません。

高度防衛ミサイルであるTHAADは、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威から韓国を防衛する配慮という認識をアメリカは示しています。

この高度防衛ミサイルのレーダー探知機は、北朝鮮のみならず中国一部にもかかり、強力な迎撃ミサイルとしての力があるのも事実です。

そのため朝鮮半島に強固な防御が出来る事で、中国の弾道ミサイルによる軍事戦略の低下を懸念しているとも言えます。

しかし韓国としては自国の防衛に対して外部から圧力をかけられる事に違和感を覚えるのは当然であるため、両国の間には微妙な亀裂が走っています。

米、中、韓の中で政治的な力が渦巻く中で、その渦に巻き込まれ煽りを食ったのが、芸能コンテンツです。

本来政治と文化は別という考えにより、政治的に微妙な国同士であっても、歌やドラマに映画やアニメなどは国を超えて受け入れられてきていました。

しかし現実に政治的な問題が起こる度に、全てのコンテンツを排除し圧力をかけるという事態に陥ります。これらの行為は長い目でみると両国にとって有益ではありません。

文化交流が盛んになる事によってお互いの国を理解するキッカケとなり、未来を担う若者達の意識も変化し、将来的に自国にもプラスになるという意味があるからです。

それを考えず政治的問題が勃発する度に排除していては、国際的な信頼を崩し自国の価値を下げる事になりかねません。

アジアの中では、各国の間での様々な問題がある事は事実ですが、政治や軍事的な問題を文化交流にまで関わらせるのは残念な事とも言えます。

良く言えば、長い目でみた未来志向の判断がそれぞれの国には必要であり、それらを担う若者を育てる事が国の責任となります。