中国と韓国の分かりやすい関係性
核実験やミサイルの発射など、連日過激な挑発と声明を繰り返す北朝鮮という国を挟んでの、中国と韓国の関係性というのは大変興味深いものがあります。
もともと同胞民族で統一された国だったものを分断された朝鮮戦争では、社会主義と資本主義の代理戦争だったともいわれています。
よって、未だに中国は北朝鮮側についていると捉えている人が少なくありません。しかし、世界情勢というのはあっという間に変わるものです。
アメリカと日本の関係性は戦前と戦後では天と地ほどの差があります。
ほんの少しのきっかけでひっくり返ってしまうのが人類の世界における都合の良い部分でもあり、各国が平和という立て看板を掲げながら自国が損をしない手段を模索している日々です。
さて、そのような世界情勢において中国というのは数多くある国の中でも最もしたたかであると言っても過言ではありません。
なぜそう言いきれるのかといえば事実上の一党独裁だからです。独裁国家というのは小国がほとんどですが、中国だけは例外です。
つまり、国の方針がぶれることがありません。日本のように首相が短い期間ですぐに変わってしまい、長年あたためてきた政策が頓挫してしまうようなこともありません。
もちろんひとつひとつの政策の判断で国民にそのしわ寄せがいくというリスクはありますが、トップが揺るがないということは外交において大変有利に働きます。
そんな状況の中、もはや中国にとって北朝鮮の役割というのは自国が密かに進めている政策における世界の視線をそらすのに打って付けという以外に、大きな利益をもたらすことはありません。
軍事衝突もあり得るかという報道もなされる中で、やたらと韓国や米国に対し、対話での解決を優先するよう発表するのはそのような意図があるからです。
対話で解決しないことは長年の歴史の事実が証明しています。しかしながら、対話を促すことで北朝鮮問題を解決させないままいわゆる問題児を放っておくことで、他の国に世話を焼かせようとしているわけです。
その影響を最も受けているのが韓国です。なぜならば朝鮮半島はまだ戦争中だからです。休戦しているだけで戦争は終結していません。
日本を攻撃すると北朝鮮は主張していますが、拉致の問題などはありながらも、国家間で戦争をする理由はありません。
韓国は大国に挟まれて頭を抱えながら大変難しい舵取りを迫られています。その判断の遅さが国民の不満にもつながり、浮かび上がったスキャンダルによって大統領が弾劾されるということも起こったわけです。