アジアのニュース

主に韓国や中国のニュースについて思ったことを書きます!

歴史的に複雑な韓国と中国

韓国ドラマの時代劇を観ていると、朝鮮王朝時代の王子が、次の代の王になるための正式な継承権を得るために、明国と言われていた当時の中国から認可を受ける必要があるといった描写に出会います。独立国家ではあるものの、朝鮮が明を事実上の宗主国として仰いでいたことが判ります。朝鮮王朝が続いた時代にあっては、明や清との関係が比較的良好な時期もそうでない時期も、密接に関わり合う国家として近代に至り、欧米列強や日本なども含めた怒涛の時代をも経て、今の関係となりました。
現代では、半島の北部分では、どうやら朝鮮王朝と明や清の時代の雰囲気が少し残っているような関係性が続き、それが昨今の核・ミサイル問題によって、いっそう複雑さを増しているといった様相を呈しています。中国にしてみれば、歴史的にもさまざまに目を掛けて来た半島の北半分に残った「かつての属国の名残り」が、妙な武器を手にして世界情勢の中で宗主国を微妙な立場に立たせているといった、非常に厄介な存在になったと言えます。
大陸方面からの感覚で見れば、事実上、米国の支配下に入っているといった位置づけとなっている韓国は、少し前までは、中国の一般庶民にとって「質の良いエンタメ作品を提供してくれる国」といったイメージを持たれていました。韓国ドラマは、日本で大ブームになる前から、中華人民の間で絶大な人気を誇っており、K-POPと共に、自国のエンタメ作品以上の質の高さと魅力を備えていた韓流作品や俳優、アイドルに、多くのファンが熱狂していました。そういった流れが、近年の中国国内で制作されたドラマの質が一気に高くなり、もはや韓流ドラマは必要ないと言ったムードに激変したことで、大いに変わって来ています。実際、日本国内でも、これまでは韓流一辺倒だったアジア系海外ドラマ枠に中華ドラマが増え、ファンを増やしています。
エンタメ界において、やや冷たい風が吹き始めていた中韓の関係を氷河期にまで突入させてしまったのが、やはり北朝鮮の動向で、在韓米軍が決定した高高度防衛ミサイルTHAADの配備決定を受け、中国では韓流コンテンツの締め出しばかりか、韓国製品の不買運動までも巻き起こってしまいました。中韓関係の悪化は、日本の観光業などにはプラスに働くといった声もありましたが、北朝鮮の今後を考えた場合、そうは言っていられない面があります。日本国内でも、さまざまな意見があり、大陸に複雑な感情を抱く人も少なくありませんが、日本文化の素地となる多くの文物をもたらしてくれた国々に、アジア屈指の先進国として、より良い働きかけを行いたいものです。